目的

【No.372】

 

『学び合い』はとことんシンプルにしていく。

 

この「シンプルさ」に心を惹かれた。

 

教育の本質に出会えるのかもしれないという感覚になった。

 

本を読み、実践者の話を聞き、真似をした。

 

もっと削ぎ落とそう。

もっと課題のレベルを上げよう。

 

と、必死だった。

 

見ていたのは目の前の生徒ではなく、先に始めた実践者の背中である。

 

そんな自分を引き止めてくれたのは生徒である。

 

アンケートに「不満・要望」として書かれていることが心に引っかかる。

 

20代前半は「生徒がまだ『学び合い』を理解していないだけだ。」

 

と思っていたこともある。

 

とんでもなくピントのズレたことをしていた。

 

何年も同じことが書かれていると、やっと自分自身の課題意識も強くなる。

 

削ぎ落とし一点集中だったのが、ファシリテーション、口述式計算ドリル、振り返りシートの工夫、計算大会…。

 

と、必要なことは何か探るようになった。

 

この中に大して革新的なものはない。

 

頂き物も多い。

 

「自分で」工夫したと言えるのは振り返りシートくらいだろう。

 

他のものは既存のものに少し手を加えているくらいである。

 

でも、生徒の様子は変わってきている。

 

1番は「自分たちのことを見てくれている」という安心感であると思う。

 

もちろん必要な活動は精査している。

 

やってみたけれど、やめたものも多い。

 

目の前の生徒に必要なものを提供できる教員が「できる」教員なのだろう。

 

そのために、インプットし、アウトプットする。

 

目的を間違えないようにする。