【No.31】
「相手の気持ちをしっかりと汲み取りたい」
「相手に自分の考えを間違いなく伝えたい」
「相手に嫌な思いをさせたくない」
こんなことを考えている生徒がいる。
一見とてもよい生徒であるが、今ひとつ振り切った指示を得ていなかった。
それは頭で考えたことをそのまま伝えているからだと感じていた。
つまり、一言一言が心に響いていない。
「頭で伝えたら頭に伝わる。心で伝えたら心に伝わる。」
これを本人に伝えると、クラスに胸が熱くなるような心のこもった話をしていた。
明らかにみんなに伝わっていると思える光景が目の前に広がっていた。
後でその生徒に「いい話だったよ」と伝えると感極まって涙が溢れていた。
殻を破った瞬間であった。
こういう瞬間に出会えるのはこの仕事のよいところだとつくづく思う。