【No.1400】
過去に試験を返却した翌日に「これとこれ合っているのに×になっています」と、出してきた生徒がいる。
生徒の試験は全てスキャンしているので、「確認するから待っててね」と言って受け取った。
確認してみると、生徒が申し出てきたところは試験終了時には空欄だった。
衝動的にイラッとしたが、頭ごなしに叱るのではなく、質問しながら白状するか確かめてみようという気になった。
タイミングを見て呼び出し、生徒に質問をしていった。
ところが、心の底から「ん?どういうことですか先生?」という反応である。
なかなか口を割らないなと思いつつ、極めつけにその部分を消させた。
理由はスキャンしたもので採点をしているため、最初に書いたものは印刷されており消えない。
消えるのは後から書いたと判断できるからである。
消えないところから徐々に消しゴムをなぞらせ、ついに該当のところに差し掛かった。
案の定文字は消えていく…。
これで決まりだなと思って生徒の様子を見ているとまだ本気で「え?何で消えるの?」という様子である。
こちらの想定と違ってきたので、質問を続けると真相が解明された。
その生徒は返却当日にちょうど赤インクが切れてしまい、どうしようもなくとりあえず鉛筆で解答用紙に正しい答えを書いていったようである。
それを後で見返したときに「あれ?これ合ってるじゃん」となったというわけである。
それに自分自身で気づき、何が原因で、再発しないためにはどうすればよいか考えて話してきた。
返却時は赤ペンのみにしているが、それをとりあえず鉛筆で書いておこうとしたことが間違いの始まりだった。
その生徒は赤がなくなったら青にしますと未来に向けて反省ができた。
頭ごなしに生徒を責めていたら出てこなかった事実と学びだろうと思う。
決めつけの指導の危険性を実感した。