敏感さ

【No.1318】

 

教員は生徒に自分の教科の力を伸ばしてほしいという思いがある人が多い。

 

数学を担当していれば数学の力を伸ばしたいと思うだろう。

 

例えばある生徒は、数学の点が60点で、英語の点が80点だったとする。

 

数学の教員なら「英語はそこそこ取れているから60点の数学をもっと頑張ればいいじゃないか。その子のためにも数学を頑張らせよう。」と考えて、指導にあたる。

 

本当に悪気はなく、むしろ好意としてそうする。

 

しかし、これが危険だと考えている。

 

その生徒は「数学よりも英語をもっと伸ばしたい。100点取れるように頑張りたい。」と、願っていることもよくある。

 

そうして、英語ばかり勉強する。

 

それを見ていると数学の教員は「あいつは英語ばかり勉強して、本当に伸ばさなきゃいけない数学をやっていない。」と、マイナスの評価に転じてしまう。

 

これは負のスパイラルの始まりである。

 

これは本当によくある。

 

だから、まずはこの生徒が何を学びたくて、どんな未来を描いているのか知る必要がある。

 

そこを疎かにしてはいけない。

 

むしろ教員はもっと敏感になるべきだ。