【No.506】
前任校では毎年教育論文を書いていた。
書き方もわからないときは本当に辛かったが、年々慣れていくものだと感じた。
特に賞には恵まれなかったが、生徒を見る目や単元の構成の仕方など、学ぶことは多かったように思う。
そして、何より先輩教員も一生懸命に取り組んでいる姿に感銘を受けていた。
せっかく書いたのだから賞が欲しいなと思っていた時もあるが、今、振り返ってみて気づいたことがある。
それは、実践記録の域を脱していないことである。
手だてを考え、実践し、生徒の変容を見取り、それを書く。
成果と課題には、担当している教室内での話以上の広がりがほとんどない。
「メタ認知」しているようで、全然できていないのだと思う。
その論文に書かれた内容をもう一段階高い位置から客観的に見て、それが他クラス、他校でどのような広がりをもてるのか十分に考えられていなかった。
提案性・普遍性がない論文は読んでいて楽しくない。
ちょっとあの論文を書いていた時期が恋しくなった。