【No.578】
初任のころに
「指導した方がいいかなー」
と悩んでいるとある生徒が
「それはないでしょう。」
と先に指摘してその場がおさまるという経験をした。
指摘した生徒のことをすごいなあと思いながらももやもやしていた。
その場を先輩教員が見ていて、
「生徒はそれに気づいて指摘した。あなたは気づいたのかどうか知らないが、結果的に何もしていない。生徒の方が優秀なのではないか。」
と、ストレートに言われた。
「そんなに言われることなのか?」
と思う気持ちは全くなく、心に強く突き刺さった。
図星だと思ったからである。
しばらく自分が指導しなきゃと変に目を光らせていた日々が続いた。
そして、ちょっとのことでも口を出す。
変に変わったせいか、他の先輩教員に「そこまで言わなくても大丈夫だよ。」と声をかけてもらうほどである。
褒め方・叱り方の本はたくさん出ているし、その本から学ぶことはたくさんある。
読むときのタイミングによっても引っかかってくるものが違う。
ただ、本に書いてあることをやっていればよいというのは全く違う。
実際に経験して、「タイミング」「口調」「その後のフォロー」などを学んでいく。
そして、毎日「あれでよかったのかな」と振り返り、次につなげていく。
その日うまく指導ができなかったものを少なくとも一つ挙げ、ベストな対応を考える。
これの積み重ねが根を張った信頼される指導になる道だと思う。
目の前の生徒・自分の在り方に真摯に向き合っていく。