【No.757】
生徒全員から好かれる教員は世の中探せばあるのかもしれない。
スペシャリストだろう。
それがどのような世界なのかを見てみたいという一種の憧れはある。
でも、それと同じくらい「自分はそうなれない」と思う。いや、それ以上だろう。
誰しもが「イチローにはなれない」「メッシにはなれない」と思うのと同義である。
だから、自分のことを認めてくれている生徒もいるだろうが、ほとんどの生徒は何とも思っていなくて、一定数は嫌いだろう。
それは生徒と関わっていたらわかる。
自分のことを「嫌い」と思う生徒とどう関わるかは教員として重要なテーマだと思う。
「大事な生徒」だと思う気持ちが強過ぎて、うまく関われないジレンマに深く悩んでしまう教員もいる。
「あいつが嫌いなんだから自分も嫌いでいいや」と思う教員も世の中にはいる。
前者も後者も改善が必要だろう。
それをその教員の「心」や「考え方」が悪いと捉えてしまうと、歩み寄れない。
思ってしまうことは仕方ないし、むしろ制限できないし、その必要もない。
だけど、表出の仕方は変えられる。
スキルとしてそれを伝えてあげれば変わる可能性がある。
「あの先生は考え過ぎ」
「あの先生は向いていない」
などと言っているうちは改善できない。
どうすればよいのか知恵を出し合い、できることから始める。
教員を育てるにはそういった構えが必要だと考える。